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ちょっとの地震でも企業の建物・設備管理担当者が点検しておきたいポイント5つ

2023.09.28 お知らせ

地震!そのとき建物は?企業の建物・設備管理担当者が点検しておきたいポイント5つ
地震で建物・設備管理担当者が点検しておきたいポイント5つ

 

日本の国土は、地震が発生しやすい条件を備えた場所にあります。

 

企業の建物・設備の管理のご担当者様は、地震による従業員やお客様といった「人」への被害はもちろん、

商品や設備、そして建物といった「物」への被害も最小限に抑えたいと感じているのではないでしょうか。

例えば工場や倉庫、ビルなどは、その企業にとって大切な財産であり、長期間、安全に使い続けられることが理想です。

 

大きな地震に備えることはもちろん大切ですが、日々起きている小さな地震も建物にとっては油断できないものであることをご存じですか?

今回は地震が建物に与える影響と、ご担当者が今からでもできる対処法をご紹介します。

 


 

地震発生時の建物への影響

 

地震が発生した時、建物はどのような影響を受けているのでしょうか。

 

平時には雨風や暑さ・寒さに何十年も耐えている建物ですが、地震の際には倒壊してしまうこともあります。

車の運転中、急ブレーキをかけた時に、バランスを崩すことがありますよね。

これは、減速する方向と逆方向に大きな力が働いているためですが、その力を慣性力といいます。

慣性力は、質量が大きいほど大きくなります。

建物は上下の重力には強い構造をしていますが、地震で地面が左右に揺れると、質量が大きい分大きな慣性力がはたらき、
強い負荷がかかるため、壊れやすくなってしまうのです。

 

震度が小さい地震が発生した場合、人間は質量が小さいため影響を感じにくいですが、建物は質量が大きい分、小さな揺れであっても大きなダメージを受けています。

建物へのダメージは、外壁のひび割れなどとなって現れます。

 


 

雨漏り

 

放置した場合の被害のリスク

 

それでは、外壁のひび割れなどの建物への被害には、どのようなリスクがあるのでしょうか。

地震による建物への被害を放置した場合、それがたとえ小さなものであっても、そのままにしておくと、様々な被害を拡大させてしまう可能性があります。

 

■ 地震の度にひび割れが増えることで外壁が脆くなり、次の地震の際に、震度が小さくても外壁の一部が落下する

➡ 落下した外壁が、人間や設備などに損傷を与え、賠償責任のリスクが生じる。

  また、建物の使用に制限が生じ、生産性が低下する。

 

■ ひび割れが大きくなり、外壁全体の張替を行う必要が生じ、高額な費用がかかる

➡ 工事に伴い、想定外の出費や時間を確保する必要が発生する。

 

■ ひび割れから雨水が侵入する状態が続き、室内に雨漏りが発生する

➡ 室内の設備や商品などに水がかかり、工場の稼働停止や店舗の営業時間短縮といった企業活動への影響が生じる。

  また、室内の清掃や、雨漏りの補修が必要になる。

 

外壁のひび割れは、気づかないうちに建物全体に影響を及ぼす可能性を含んでいます。

 


 

被害を少なくするためには点検が大切

 

このような被害を防ぐために効果的なのは、日常的な点検です。

以下にチェックすべきポイントを挙げましたので、ぜひお役立てください。

小規模地震が起きた後の点検項目として備えておくのもお勧めです。

 


 

【小規模地震が起きた時のポイント5つ】

 

1.外壁の広い面におけるひび割れ

 

まず、外壁の広い面にひび割れが生じていないか確認しましょう。

 

上述の通り、建物には小さな地震でも大きな負荷がかかっている場合があります。

外壁のタイル等が落下する可能性があるといわれているのは震度6弱以上ですが、それ以下でも目視点検を行うと安心です。

 

建物に使われている外壁材によって、ひび割れが生じやすい場合もあります。

例えば、工場・倉庫の外壁に使用されることの多い素材であるコンクリートは、
圧縮には強いですが、引っ張る力に弱く、地震のような揺れる動きでひび割れが生じやすくなっています。

 

2.コーキング(シーリング)

 

次に、外壁の中でもコーキング(シーリング)部分に注目してみましょう。

 

コーキングとは、雨水の侵入を防ぐために、外壁材の接合部に充填されている素材のことで、弾力のあるゴム状となっているのが特徴です。

戦後に建てられた工場・倉庫に多く使用されたモルタルの伸縮目地や、ビルの外壁に多いALCパネルなどの継ぎ目などは、コーキングで埋められています。

この部分は、日常的に直射日光に晒されており、年月が経過するうちに硬化していきます。

硬化すると、地震の揺れで外壁材が動いた時に、弾力がなく外壁の動きについていくことができず、ひび割れてしまうのです。

 

3.窓枠サッシの四隅

 

窓がある建物では、窓枠の周りを重点的に確認しましょう。

 

窓サッシやドアなどの開口部は、外壁がないため、普段から他の部分よりも負荷がかかりやすくなっています。

特に、窓枠サッシの四隅から斜めにひびが入ってしまうことが多いため、窓の四隅はよく見る必要があります。

工場や商業施設などで大きな窓がある場合は、開口部が大きいということでもあり、周りの外壁が負担を受けやすいので、注意しましょう。

 

4.釘の周辺

 

外壁にサイディングボードが使われている場合は、サイディングボードに打ってある釘の周辺を確認しましょう。

 

サイディングボードとは、建物の外壁に貼る仕上げ用の板材のことです。

厚さ14mm以下のサイディングボードは、木材の上に釘を使って打ち付けられています。

サイディングボードには様々な種類や工法があり、地震に強いものもありますが、釘を使っているものについては注意が必要です。

地震で外壁が動いた際、外壁とサイディングボードが離れそうになると、釘のまわりに負荷がかかり、
サイディングボードにひびが入ったり、釘から近い部分が欠けたりしてしまいます。

 

5.室内の雨漏り

 

最後に、外壁に問題がないことが確認できたら、室内に戻って雨漏りが起きている箇所がないか確認しましょう。

 

建物には様々な場所に「雨仕舞」といって、雨水の侵入を防止するための仕組みがあります。

例えば、外壁と屋根の接合部分など隙間ができやすい場所に、板金の施工がしてあります。

建物の所々にありますが、どこかが地震でずれたり破損したりしていると、雨が侵入しやすくなります。

地震による雨漏りは突発的に生じるため、築年数が浅くても油断できません。

 


 

今回ご紹介した部分を特に地震後に点検し、ひび割れなどが見られた場合にはそれらが小さいうちに

なるべく早く補修を行うなどの対処をすることにより、大きな損傷につながる可能性を低くし、

結果的にメンテナンス費用を少なく抑えることにも繋がります。

 

フジサワでは、外壁をはじめとした建物メンテナンスの相談を随時受け付けております。

お気軽にお問い合わせください。

 

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